人力検索はどうして失敗したか

・利用者の少ないはてなアイデアにいつまでも頼ってしまった
 会社はシステムを提供して後は利用者の使い方次第であるというのは無責任な話です。それで利用者から会社への働きかけとしてはてなアイデアが考えられましたが、実際はてなアイデアを利用したユーザーは少数でしかありませんでした。はてなアイデアに自浄作用を期待するのは誤りでした。
 
・他ユーザーの設定による回答拒否機能
 この機能の目的は初心者でも人数を設定するだけで、回答拒否の多い回答者を回答拒否にできるということでした。そしてもう一つは回答者からは直接回答拒否されているのかこの機能で間接に回答拒否されているのかをわからなくする(実際はわかりますが)効果があります。ただこの機能はうまく働きませんでした。まず、間接回答拒否は割合ではなく加算であったため回答をすればするほど間接回答拒否が多くなり、悪質回答者の指標とはならなかったからです。更に最悪だったのは回答者同士で嫌がらせで回答拒否をすることで回答者間に悪意を振りまいたことです。そのことはその後の回答者間の騒動の根本になったと考えます。
 
・回答者の軽視
 質問者と回答者は相乗関係にあります。質問者が多いサイトに回答者が集まり、回答者が多ければ良質な回答が得られやすくなり、質問者の増加に繋がります。はてなは優秀な回答者をどう確保するかがとても大切なことであるにも関わらず、回答者を評価する仕組みとして回答者ランキングというものがありましが、ランキングに固執するあまり回答者間の争いを助長するということで、ベストアンサーにイルカ賞という簡易な物としています。はてなは優秀な回答者を積極的に評価することを怠たりました。
 
・広告収入を稼ぐことに力を入れすぎた
 Googleなどの検索エンジンで検索すると人力検索の質問がよくヒットすると思います。これは人力検索の質問文をGoogleの収集ボットが拾いやすいからです。そのために人が興味を引くキーワードでの質問をある程度量産しなければなりません。ゾロ目さんと呼ばれる末尾が同じ数字の質問者が多数存在するのはご存知でしょうか。私の想像ですがこの方たちははてなに雇わて質問をする方たちです。Googleの上位を維持し広告収入を稼ぐことが目的ですのでその回答に興味が無かったのは当然です。
 
・管理者の不在
 人力検索はポイントの受け渡しがあることから、質問者と回答者、回答者と回答者には絶えず争いがありました。人力検索が大きなコミュニティであったときは、多数決によりユーザー間にある程度のモラルが構築され、逆に管理者側の働きかけが難しくなります。現在はコミュニティが小さくなり一つのクラスのようになっているにも関わらず、いじめられて悲鳴を上げているユーザーを管理者という教師はただ黙って見ていました。この少数学級には自浄作用はもうありません。教師に助けを求めても利用規約という名の校則に載っていないと言っています。ユーザーは転校していくのは当たり前です。


 上記のような運営方法の失敗により小さなコミュニティとなってしまった人力検索ですが、まったく希望が無いわけではありません。初期の目的であった質問者にやさしいQAサイトは、ユーザーが少なくなった今なら逆に目に見える管理者の積極的な働きかけさえあれば実現できるのではないかと思っています。
 
 はてなの運営はどうすればいいかわからなければ聞けばいいのです。その為の人力検索でしょう。